第5部の最終回は、お金の病気の話です。
お金の価値は、健康なときには空気のように意識されません。
100円は明日も100円分の何かと交換できる。
みんながそう信じているから、経済は回る。
その信用が壊れると、何が起きるのか。
歴史は、二方向の地獄を記録しています。
お金が紙くずになる地獄と、お金が強くなりすぎる地獄です。
ハイパーインフレの代名詞といえば、1923年のドイツです。
第一次大戦に敗れたドイツは、天文学的な賠償金を課されていました。
賠償の支払いが滞ると、フランス軍が工業地帯ルールを占領します。
ドイツ政府は労働者にストライキで抵抗させ、その賃金を紙幣の印刷で払いました。