もし、生まれてくる子どもの遺伝子を編集できるとしたら。
身長を10センチ高く。
記憶力を2割増しに。
音楽の才能を、オプションで追加。
技術的な議論はさておき、問いとしてはもうSFではありません。
そしてこの問いは、前回の能力主義の話の続きでもあります。
才能がくじ引きなら、くじ引きをやめて、親が指定できるようにすればいい。
そのほうが公平で、合理的ではないか。
サンデルは2007年の『完全な人間を目指さなくてもよい理由』で、この誘惑に正面から向き合いました。
彼の著作の中で一番薄くて、たぶん一番深い本です。
今回は、才能と謙虚さの話をもう一段掘ります。