第5部は、江戸時代です。
約260年間、対外戦争も内戦もほぼない時代が続きました。
これ、世界史的に見ると異常値です。
同じ時期のヨーロッパは、三十年戦争、スペイン継承戦争、七年戦争、ナポレオン戦争と、戦争の見本市でした。
中国も明清交代の大動乱を経ています。
その間、日本列島は島原の乱(1637年)を最後に、幕末まで大規模な戦闘なし。
「天下泰平」は、偶然ではありません。
設計の産物です。
今回は、家康たちが作り上げた「平和が続いてしまう仕組み」、幕藩体制のグランドデザインを解剖します。
江戸の統治システムの骨格は、幕藩体制と呼ばれます。
これ、よく見ると絶妙な設計なんです。
まず、幕府(徳川家)は圧倒的な力を独占します。
直轄領は約400万石で全国のほぼ4分の1、これに旗本領を加えると700万石規模。
金山銀山、江戸・大坂・京都・長崎などの主要都市、外交と貨幣鋳造も幕府の独占です。