全26回、お疲れさまでした。
最終回です。
ここまでの旅を、30秒で振り返ります。
19世紀末、「物理学は完成した」と豪語していた人類は、鉄の温度と光の色という実務的な問いから、世界観の崩壊に転げ落ちました。
プランクの捨て身、アインシュタインの光の粒、ボーアの力技、貴族の反逆、花粉症の島、山荘の方程式。
できあがった理論は、完璧に当たるのに、意味が誰にもわからなかった。
二重スリットで世界の底が抜け、猫が皮肉を言い、ボーアとアインシュタインが朝食のたびに殴り合い、日曜物理学者が判定法を発明し、2022年、アインシュタインの負けが公式に確定しました。
それでも「世界は結局どうなっているのか」は未決着のまま、人類はその理論でスマホを作り、太陽は今日も壁抜けで輝いています。
最終回は、この旅からぼくらが持ち帰るべきものの話です。
物理の話というより、生き方の話に近くなります。
でも、それがこの講座の着地点として、いちばん誠実だと思うんです。