幹の最終回です。
八つの型を渡り歩いてきて、気づいたことがあるはずです。
どの型でも、人間に残る仕事は同じでした。
発注と、検収と、判断です。
ぼくの手元から、作業は本当に消えました。
書き起こしも、集計も、下書きも、調べ物の一次収集も、ぼくはもうやっていません。
では暇になったかというと、なっていません。
残った仕事が、はっきり見えるようになっただけです。
いまのぼくの仕事は、三つに絞られます。
何を作るか、決める。
出来上がりを、検収する。
そして、最後のひとさじの魂を入れる。
魂というのは、文章なら自分の声に直す一手間、商品なら値決めと世界観のことです。
この三つだけは、どれだけAIが進歩しても、手放すつもりがありません。
手放したら、それはもうぼくの仕事ではなくなるからです。