「仏教とお金」と聞くと、「清貧」「無欲」「お金は汚れ」みたいなイメージがありませんか。
実はこれ、初期仏教に関しては、けっこうな誤解です。
たしかに出家した修行者は、財産を持ちません。
でもブッダの聞き手の大半は、出家していない普通の人々——商人、農民、職人でした。
そういう在家の人たちに向けて、ブッダは驚くほど現実的なお金の話をしています。
その代表が『シガーラ経』。
「在家のための戒律書」とも呼ばれる経典です。
明鏡の講座でお金の話をたくさんしてきたぼくとしては、これはもう、取り上げないわけにはいきません。
ある朝、ブッダは、ずぶ濡れの若者が東西南北と天地の六方向を拝んでいるのを見かけます。