最終回です。
第5回で見た、最期の旅の場面に戻ります。
死期の迫ったブッダに、侍者のアーナンダが不安を打ち明けました。
「あなたがいなくなったら、私たちは何を頼りに生きればいいのですか」
2500年間、あらゆる弟子が、あらゆる師に投げかけてきた質問です。
そしてブッダの答えは、あらゆる教祖の答えの中で、もっとも教祖らしくないものでした。
これが有名な「自灯明・法灯明(じとうみょう・ほうとうみょう)」の教えです。
おもしろい豆知識をひとつ。
原語の「ディーパ」には「島」と「灯り」、両方の意味があります。
漢訳の伝統では「灯」と訳され、「自らを灯りとせよ」として広まりました。
パーリ語の文脈では「島」——洪水の中で足をつけて立てる、水没しない場所——が本来のイメージだとされています。