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物語という、最古の発明 第1回

物語は、人類最古の発明 — なぜいま文学か

第1部 物語の誕生

「物語」です。

文字が生まれる何千年も前から、人類は焚き火を囲んで物語っていました。
狩りの自慢話、死んだ仲間の思い出、星がなぜ光るのかの説明。
考古学が掘り出せるのは骨と石器だけですが、その骨の持ち主たちが夜ごと何をしていたかは、世界中の無文字社会が教えてくれます。
人間は、放っておくと物語る生き物なんです。

この講座は、その「物語」という発明の四千年史です。

物語はひまつぶしではありません。
もともとは、生き延びるための道具でした。

「あの沢で水を飲んだ者が三人死んだ」という情報は、忘れられます。
でも「あの沢には牙をもつ主がいて、飲んだ者を引きずり込む」という物語は、孫の代まで残る。
危険の記憶を、感情ごとパッケージして運ぶ技術。
それが物語の最初の仕事でした。

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