第3部の実話回です。
通過儀礼、リミナリティ、ハレとケ——このレンズで、ぼくのコミュニティ運営の実務を解剖します。
テーマは、コミュニティ運営でいちばん地味で、いちばん大事な仕事。
新しく来た人を、どう迎えるかです。
長年コミュニティを運営してきて、ぼくには確信していることがあります。
コミュニティは、人がいなくなって死ぬのではありません。会話がなくなって死にます。
会員数が何千人いても、発言するのがいつもの数人だけになり、新しい顔が現れなくなったコミュニティは、外形的には存続していても、もう死んでいる。
ぼくは死んでいくコミュニティを山ほど見てきました。
死因を並べると、だいたい5つです。
交流が止まる。
中心人物が消える。
新陳代謝が止まる。
文化が崩れる。
目的が消える。
このうち、運営者の設計で防ぎやすいのが新陳代謝です。
そして新陳代謝の生命線が、新規参加者の迎え入れ——ビジネス用語で言うオンボーディングです。
ここで第10回を思い出してください。
新参者は、定義からして「境界上の存在」でした。
ウチでもソトでもない宙ぶらりんの人は、放っておくと、誰にも認識されないまま、ざわつく居心地の悪さに耐えかねて、静かに去ります。
参加ボタンを押した人の大半は、一度も発言せずに消えていく。
これがコミュニティ運営の現実です。