「なぜ人は、お金を信じるのか」へようこそ。
講師のイケハヤです。
いきなりですが、学校で習ったお金の起源の話を思い出してください。
「昔の人は物々交換をしていました。でも、魚を持っている人が肉を欲しがっても、肉を持っている人が魚を欲しいとは限りません。不便なので、みんなが欲しがる貝や金属をお金にしました」。
教科書にも、経済学の入門書にも、だいたいこう書いてあります。
この話、実は作り話です。
人類学者たちは200年以上、世界中の社会を調べてきました。
アフリカの村も、南米の奥地も、太平洋の島々も。
そして「物々交換だけで回っている経済」を、ただのひとつも見つけられませんでした。
ケンブリッジ大学の人類学者キャロライン・ハンフリーは、この探索の結論をはっきり書いています。
純粋な物々交換経済の実例は、過去にも現在にも、記述されたことがない、と。
物々交換がなかったなら、お金の前には何があったのか。