お金の歴史のほんとうの始まりは、キラキラした金貨ではありません。
乾いた泥のかたまり、粘土板です。
いまから約5000年前のメソポタミア。
チグリス・ユーフラテス川のあいだに、シュメール人の都市文明がありました。
人類最古の文字「楔形文字」が生まれた場所です。
では、その最古の文字で何が書かれていたか。
神への讃歌でも、王の武勇伝でもありません。
大部分は、経理の記録です。
「誰それに大麦を何リットル貸した」「羊を何頭受け取った」。
文字は、詩人ではなく会計係が発明したんです。
ここで年表を確認しておきましょう。
硬貨が発明されるのは、紀元前600年ごろのリディア王国です。
一方、メソポタミアの経済記録は紀元前3000年ごろから残っています。
つまり人類は、硬貨を手にする2000年以上前から、高度な経済を回していました。