給与明細を、思い浮かべてください。
額面から、税金と社会保険料がごっそり引かれています。
仮に3割引かれているなら、あなたは1年のうちおよそ4ヶ月ぶん、自分以外の誰かのために働いている計算になります。
「それは、形を変えた強制労働ではないのか」
そう言い切った哲学者がいます。
ロバート・ノージック。
1974年の『アナーキー、国家、ユートピア』で、前回のロールズに正面から反論した、ハーバードの同僚です。
過激に聞こえますか。
でもノージックの理屈は、単純で、強い。
今回は自由の物差しの一番とがった形、リバタリアニズムの最強形態を見ておきましょう。
サンデルの立ち位置は、左右両方の議論を知らないと見えてこないからです。