1980年代の政治哲学界で、不思議なことが起きました。
互いに打ち合わせたわけでもないのに、別々の思想家が、別々の場所から、ほぼ同時に同じ方向へ矢を放ったんです。
狙われたのは、リベラリズムが描く「独立した個人」という人間像。
放たれた矢は、それぞれ形が違いました。
物語という矢。
承認という矢。
複数性という矢。
のちに彼らはまとめて「コミュニタリアン」と呼ばれることになります。
ただし本人たちは、そのレッテルをあまり喜びませんでした。
その理由も含めて、今回はサンデルの「仲間たち」を見ていきます。
この回が終わると、コミュニタリアニズムの全体像が立体になります。