「なぜ人は、妖怪を生んだのか — イケハヤと学ぶ民俗学」へようこそ。
講師のイケハヤです。
いきなりですが、質問です。
あなたは、夜のトイレが怖かったことはありませんか。
子どものころでもいい。
今でもいい。
誰もいないはずの廊下、暗い水回り、夜の学校。
理屈では「何もいない」とわかっているのに、背中のあたりがざわっとする。
あの感覚は、いったい何なのでしょうか。
昔の日本人は、あのざわっとした感覚に、片っ端から名前をつけました。
川のざわつきには河童。
山の不気味さには天狗。
夜道の不安には逢魔時。
古い道具への後ろめたさには付喪神。
名前の総数は数千とも言われます。
世界的に見ても、日本は異常なほど「妖怪の多い国」です。
なぜ、そんなに名前をつけたのか。
名前をつけると、何がうれしいのか。
それを100年前から研究してきた学問があります。
民俗学です。