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なぜ人は、妖怪を生んだのか 第26回

総括 — 妖怪は今も生まれている

終章

最終回です。
まず、この講座で歩いた道を、一枚の地図にして振り返ります。

第1部で、闇の住人たちに会いました。
河童は水難の、天狗は山の、鬼は疫病と他者の、狐は憑き物の説明装置。
第2部で、暮らしのリズムを学びました。
ハレとケ、祖霊の帰省、祭りのガス抜き、人生の通過儀礼。
第3部は境界の作法。
辻の道祖神、山言葉、海の彼方と根の国、逢魔時。
第4部は生と死。
産屋、名前の呪力、家の外交としての婚姻、そして三十三年かけて先祖になる道のり。
第5部は語りと呪い。
昔話の文法、遠野物語、言霊、最後の裁判所、都市とネットの新しい妖怪。

全部を貫いていたのは、たったひとつの原理でした。
人は、わからないものに名前をつけて、付き合い方を発明する生き物だということです。

最後に、いちばん現代的な話をします。

AIと毎日仕事をしている人たちの間に、面白い行動が観察されています。
AIに名前をつける。
「ありがとう」「お疲れさま」と声をかける。
丁寧に頼んだほうがいい結果が出る気がする。
相棒として扱い、調子の良し悪しを語る——。

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