『平家物語』の冒頭を、覚えているでしょうか。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
この「おごれる人」の代表として名指しされているのが、今回の主役・平清盛です。
武士として初めて太政大臣に上りつめ、一族で高位高官を独占し、「平家にあらずんば人にあらず」とまで言われた絶頂から、滅亡へ。
物語の中の清盛は、傲慢と悪行の権化です。
なにしろ『平家物語』は、平家を滅ぼした側の時代に、平家の滅びを無常の教訓として語る物語ですから。
乙巳の変の蘇我氏でやった読み方を、ここでも使いましょう。
敗者の実像は、勝者の物語の外にあります。
実像の清盛は、何をした人だったのか。
ひとことで言えば、「海」に懸けた男でした。