ここから、歴史の話を四回はさみます。
遠回りに見えますが、歴史はいまを疑う道具になります。
「このブームは本物か」を、自分の頭で考えられるようになるからです。
人工知能という言葉が生まれたのは、1956年です。
アメリカの研究者たちが、会議で名づけました。
そこから70年、AIは山と谷をくり返してきました。
最初のブームでは、機械が迷路やパズルを解きました。
「このまま進めば人間並みの知能ができる」と期待がふくらみました。
でも、できたのはルールが明確な問題だけでした。
現実の複雑な問題には歯が立たず、期待はしぼみ、研究のお金も細りました。
これが、一度目の冬です。
1980年代、二度目のブームが来ます。
専門家の知識を、ルールとして大量に書き込む方式です。
医療や金融の判断支援で実用化され、企業がこぞって投資しました。