この回は、この講座で扱う中でいちばん重いリスクの話です。
実在の人物の顔や声を使い、本人が言っていないことを言っているかのように見せる合成技術。
いわゆるディープフェイクです。
この回では、作り方には一切触れません。
扱うのは、見抜く目と、線引きの考え方だけです。
ぼくには、この問題を特別な立場から話せる理由があります。
ぼくの講義動画の音声は、ぼく自身の声から作ったクローン音声です。
つまりぼくは、自分の声の複製を本人として運用している当事者です。
だから、断言できます。
技術は同じでも、本人の同意と表示があるかどうかで、意味は正反対になります。
ぼくのクローンは、ぼくが同意し、AI生成だと表示して使う道具です。
同じ技術で無断で作られたら、それはぼくの人格の乗っ取りです。
声や顔は、データである前に、その人の人格の一部です。
完璧な見分け方は、残念ながらありません。
技術は上がり続けるので、映像の粗さに頼る方法はすぐに古びます。
残るのは、出どころを確かめる習慣です。