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穿 016

幽霊のような遠隔作用 — 量子もつれ

第2部 世界の底が抜ける

まず、ぜんぜん不思議じゃない話から始めます。

手袋を1組、用意します。
右手用と左手用。
それぞれを別の箱に入れて、片方を東京のあなたに、もう片方をパリの友人に送ります。
どちらの箱に、どちらが入っているかは、誰にも分かりません。

あなたが箱を開けたら、右手用でした。
その瞬間、あなたは確信します。
「パリの箱の中身は、左手用だ」。

パリの箱の中身が、地球の裏側で「即座に決まった」ように見えますが、もちろん怪奇現象ではありません。
中身は発送時から決まっていて、あなたが知らなかっただけです。

この手袋の話を、しっかり覚えておいてください。
今回のテーマ「量子もつれ」が本当に不気味なのは、一見この手袋そっくりなのに、手袋では絶対に説明できないことが起きるからです。

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