第6部は、20世紀。
人類がもっとも多くを壊し、もっとも遠くまで到達した百年です。
その幕開けは、1914年6月28日、サラエボの街角。
一台のオープンカーと、一人の19歳の青年から始まります。
今日の主題は、単なる開戦の経緯ではありません。
「誰も世界大戦を望んでいなかったのに、なぜ世界大戦になったのか」という、現代にも直結するメカニズムの話です。
オーストリアの帝位継承者フランツ・フェルディナント夫妻が、併合したばかりのボスニアの州都サラエボを訪問していました。
これを狙ったのが、セルビア系の民族主義者の青年たちです。
実は、暗殺は一度失敗しています。
沿道の実行犯が投げた爆弾は車の後方で爆発し、大公夫妻は無傷でした。
実行グループは散り散りになり、計画は空振りに終わったかに見えます。