一万円札の製造原価は、数十円程度と言われています。
ただの紙切れです。
それなのに、あなたはこの紙のために朝起きて、働き、ときに人間関係まで犠牲にする。
冷静に考えると、かなり奇妙なことをしています。
今回は、この奇妙さの正体——社会は共有された物語でできているという、社会学のいちばん深い話です。
社会学には社会的構成主義という考え方があります。
バーガーとルックマンという社会学者が1960年代に理論化しました。
主張はこうです。
ぼくらが「現実」と呼んでいるものの大部分は、自然の事実ではなく、人間たちの合意が積み重なって固まったものである。