第5部は「学問のその後」。
まず、ここまで学んできた社会学そのものを疑う回です。
ぼくの講座では毎回、この「批判と限界」の回を置いています。
どんな学問にも効かない場面があり、それを知らずに使う道具はただの凶器だからです。
科学の条件のひとつは、「間違いだと確かめる方法があること」です。
物理学の予言は、実験で外れたら理論が捨てられます。
では社会学はどうか。
「近代化はアノミーを生む」という命題は、どうなったら間違いだと言えるのか。
うまくいかない事例が出ても、「条件が違った」と言い足せてしまうのではないか。
この批判は、部分的に正しいです。
社会は実験室に入れられません。
同じ社会を「規範あり」と「規範なし」で二回走らせて比較することはできない。
だから社会学の多くの命題は、物理学の意味での検証がそもそも難しいんです。