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こんなに面白い哲学 第6回

生き方としての哲学 — 樽の男と心の平安

第1部 哲学の誕生

その哲学者は、家を持たず、大甕(かめ)を住処にして日向ぼっこをしていました。
大王は言います。
「望みを言え。なんでも叶えてやろう」。

哲学者の答えは、こうでした。
「そこをどいてくれ。日陰になる」。

男の名はディオゲネス。
供の者たちは無礼に凍りつきましたが、大王は笑ってこう言ったと伝えられています。
「もし私がアレクサンドロスでなかったら、ディオゲネスになりたかった」。

今回は、この痛快な変人を入り口に、「生き方の技術」になった哲学の話をします。

ソクラテスたちの舞台だったポリス、つまり都市国家は、市民が顔見知りの小さな世界でした。
「良き市民として生きること」と「良く生きること」が、ほぼ重なっていた時代です。

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