これから生まれてくる社会のルールを、あなたが決められます。
税制、教育、医療、貧富の差の扱い、ぜんぶ。
ただし、一つだけ条件があります。
あなたは、自分がその社会の「誰」として生まれるかを、知りません。
大富豪の家か、貧しい家か。
健康か、重い持病を抱えるか。
多数派か、少数派か。
才能に恵まれるか、恵まれないか。
くじ引きの結果は、ルールを決めたあとで開封されます。
さて——あなたはどんなルールの社会を設計しますか。
この思考実験が、二十世紀の政治哲学を一変させた「無知のヴェール」です。
考案者はジョン・ロールズ。
今回は、死んだと言われていた「正義」の哲学を生き返らせた男と、その相続争いの話です。