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物語という、最古の発明 第7回

古事記と万葉集 — 日本語の文学、はじまりの歌

第1部 物語の誕生

8世紀の初め、日本列島でほぼ同時期に、二つの記念碑が生まれました。
語り部の暗唱から書き起こされた神話と歴史の書、『古事記』。
天皇から国境警備の兵士まで、あらゆる身分の歌を集めた歌集、『万葉集』。

物語と歌。
日本語の文学は、この二本立てで産声を上げました。

『古事記』の成立事情は、第3回のホメロスを思い出させます。

序文によれば、天武天皇が稗田阿礼という人物に命じて、諸家に伝わる神話と歴史を「誦み習わせ」ました。
つまり、暗唱させたんです。
阿礼は一度目にしたものは忘れなかったと伝えられる、記憶の達人でした。

その後、時代が下って元明天皇の命により、太安万侶が阿礼の誦むところを筆録します。
和銅5年(712年)、こうして現存する日本最古の書物が完成しました。

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