この一言で千夜を生き延びた女性の話をします。
『千夜一夜物語』、アラビアンナイトです。
物語の力とは何か、をこれほど鮮やかに寓話にした作品はありません。
なにしろ設定がこうです。
物語が面白ければ生きられる。
つまらなければ、夜明けに処刑。
枠になる物語はこうです。
シャフリヤール王は、妃の裏切りに深く傷つき、女性への復讐を始めます。
毎晩ひとりの娘を妃に迎え、翌朝には処刑する。
街から娘たちが消えていく恐怖政治です。
そこに自ら名乗り出たのが、大臣の娘シェヘラザード。
博識で、物語をたくさん知っている女性でした。