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物語という、最古の発明 第10回

ダンテ『神曲』 — 失恋と追放が、地獄めぐりの傑作になった

第2部 中世 祈りと語りの千年

ダンテ・アリギエーリ。
13世紀末から14世紀初頭のイタリア、フィレンツェの人です。

彼の人生には、大きな喪失が二つあります。
ひとつは、ほとんど言葉を交わしたことのない女性への、生涯の恋。
もうひとつは、二度と帰れなかった祖国です。

この二つのどん底が、世界文学の最高峰のひとつ『神曲』になりました。

ダンテがベアトリーチェという少女に出会ったのは、九歳のときと伝えられます。

すれ違って、挨拶を交わした。
記録に残る接点は、ほぼそれだけです。
二人はそれぞれ別の相手と結婚し、ベアトリーチェは二十代半ばの若さで世を去ります。

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