14世紀半ば、ヨーロッパをペストが襲いました。
黒死病です。
都市によっては人口の半分近くが失われたと伝えられる、文明史級の大災害でした。
その真っただ中のフィレンツェで、一冊の物語集が書かれます。
ボッカッチョの『デカメロン』。
神への祈りではなく、人間の笑いと欲望を詰め込んだ百の物語です。
『デカメロン』の枠組みは、こうです。
ペストが猛威をふるうフィレンツェから、若い男女10人が郊外の別荘に避難します。
やることがない。
そこで彼らは決めるんです。
毎日ひとり一話ずつ、物語を語り合おう、と。
10人が10日間で、あわせて100話。
デカメロンとは「10日間」という意味です。