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物語という、最古の発明 第15回

シェイクスピア — 座付き作者、人間のすべてを書く

第3部 近代小説の誕生 個人が主役になる

シェイクスピア。
その名前は、文学に興味がない人でも知っています。

でも彼の肩書きを正確に言うと、こうなります。
ロンドンの一劇団の、座付き作者。
つまり、劇場の連続興行を回すために、次から次へと台本を書き続けた現場の人です。

芸術家先生ではなく、締切に追われる職業人。
その職業人が、なぜか人間のすべてを書いてしまった、という話です。

16世紀末のロンドン。
テムズ川の南岸に、芝居小屋が並んでいました。

シェイクスピアが立ったグローブ座は、三千人近くを収容したと伝えられる円形劇場です。
安い立ち見席の客は、舞台を囲んでひしめき合い、ナッツをかじり、酒を飲み、つまらなければ野次を飛ばしました。
客層は、貴族から職人や徒弟まで、まるごと全部です。

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