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物語という、最古の発明 第16回

芭蕉 — 世界最短の文学は、旅の中で完成した

第3部 近代小説の誕生 個人が主役になる

十七音。
俳句です。

シェイクスピアが三千行の戯曲で人間を書いていた頃と同じ17世紀に、日本では、たった十七音で世界を切り取る文学が完成に向かっていました。
完成させたのは、旅に生きたひとりの男。
松尾芭蕉です。

そしてこの世界最短の文学は、いま「haiku」として、世界中の言語で書かれています。

芭蕉の偉さを理解するには、彼の前の俳句を知る必要があります。

俳句の祖先は、連歌から派生した俳諧という言葉遊びでした。
洒落や滑稽で笑わせる、宴会芸に近いジャンルです。
才気は競うけれど、魂は込めない。
そういう位置づけの遊びでした。

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