19世紀半ばのアメリカ。
建国からまだ百年たっていない新興国で、文学はずっとヨーロッパの真似と見られていました。
その国から、三人の異才が現れます。
推理小説をひとりで発明した男。
生前は誰にも理解されなかった大作を書いた男。
詩の形式そのものを壊した男。
ポー、メルヴィル、ホイットマン。
三人とも、生きているあいだは報われませんでした。
そして三人とも、いまの物語文化の土台になっています。
エドガー・アラン・ポーの人生は、最初から最後まで不遇でした。
幼くして旅役者の両親を失い、養家とは衝突し、賭博と借金で大学を去り、生涯貧困の中で雑誌に書き続けます。
最愛の若い妻ヴァージニアは結核で先立ち、本人も酒に苦しみました。
そして40歳のとき、ボルチモアの路上で意識混濁の状態で発見され、数日後に亡くなります。
なぜそこにいたのか、何があったのかは、いまも謎のままです。