1965年、メキシコ。
コロンビア出身のジャーナリスト、ガブリエル・ガルシア=マルケスは、家族を乗せてアカプルコへ向かう車を運転していました。
そのとき、長年書きあぐねていた小説の語り口が、突然まるごと見えたと伝えられます。
彼は車を引き返し、家にこもりました。
執筆はおよそ1年半に及び、家計は底をつきます。
車を売り、家財を質に入れ、家計は妻メルセデスが支えました。
書き上がった原稿を出版社に郵送するとき、郵便料金が足りず、原稿を半分に分けて送った、という逸話まで残っています。
こうして1967年に出たのが『百年の孤独』。
20世紀後半の世界文学で、最大の事件になった小説です。
なお、この回の約束をひとつ。
マルケスの作品はまだ著作権が生きているため、この講座の掟に従い、原文の引用はしません。
内容の紹介だけで、この物語の凄みをお伝えします。