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物語という、最古の発明 第36回

川端・谷崎・三島 — 日本の美は、世界語になった

第6部 現代 物語は世界に散らばる

古事記から始まって、源氏、平家、芭蕉、戯作、漱石、芥川と太宰。
この講座が張ってきた日本文学の縦糸は、20世紀後半、ひとつの到達点を迎えます。

日本の美意識が、翻訳を通じて、世界の共通語になったんです。

その主役が、川端康成、谷崎潤一郎、三島由紀夫の三人です。
なお、三人の作品はいずれも著作権が生きているため、この回も講座の掟に従い、原文の引用はせず、内容の紹介でお話しします。

1968年、川端康成は、日本人として初めてノーベル文学賞を受けました。

代表作『雪国』の書き出しは、日本文学でも指折りの有名な一節です。
国境の長いトンネルを抜けると、そこは雪国だった、という趣旨のあの冒頭。
トンネルの闇を抜けた瞬間、視界が一面の白に切り替わる。
まるで映画のカットのような場面転換で、読者は日常から、雪に閉ざされた別世界へ運ばれます。

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