まだ生まれていない人の幸福を、私たちはどこまで真剣に考えるべきなのか。
この問いに生涯を捧げた哲学者がいます。
デレク・パーフィット。
オックスフォード大学に住み込み同然で暮らし、研究以外のほぼすべてを削ぎ落として思索を続けた、伝説的な人物です。
1984年の主著『理由と人格』は、「現代で最も重要な道徳哲学書のひとつ」と評されます。
今回は、その中から、ロングターミズムの土台になった議論を取り出します。
あなたが森の中で、割れたガラス瓶を捨てたとします。
100年後、その森を歩いていた子どもが、ガラス片を踏んで大けがをしました。
さて、あなたのしたことは悪いことでしょうか。