「ロングターミズムは、世界で最も危険な世俗思想かもしれない」
こう書いたのは、エミール・トーレスという研究者です。
かつてはロングターミズム陣営の内部にいて、のちに最も手厳しい批判者に転じた人物です。
未来の世代を大切にする。
それだけ聞けば美談なのに、なぜ「危険」なのか。
第2部の締めくくりとして、今回はこの思想の影の部分を、逃げずに見ていきます。
ロングターミズムの計算では、未来には何兆人もの人がいる可能性があります。
すると、「未来の存続確率をほんの少し上げること」の期待値が、天文学的に大きくなります。