バスター・キートンは、1895年生まれです。
そう、第1回でやった「世界最初の映画上映会」と同い年。
映画と同じ年に生まれて、映画にしかできない笑いを極めた男です。
チャップリンが「感情」の人だとすれば、キートンは「物理」の人。
泣かせにきません。
共感も求めません。
そのかわり、本物の建物を倒し、本物の列車を落とし、本物の自分の体を張ります。
そして何が起きても、絶対に笑わない。
あだ名は「偉大なる石の顔(グレート・ストーン・フェイス)」。
この無表情こそ、キートン喜劇の心臓です。
キートンは3歳から、両親の舞台に立っていました。
芸というのが、すさまじい。
父親が幼いバスターを掴んで、舞台の上で文字通り投げ飛ばすんです。
壁へ、床へ、ときには客席へ。
「人間モップ」と呼ばれました。
子どもが泣くどころかケロッとしているので、客は大爆笑。