今回の映画は、法律上、存在してはいけない映画です。
1922年のドイツ映画『ノスフェラトゥ』。
ブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』を、遺族に無断で映画化した作品です。
製作会社は一応、頭を使ったつもりでした。
舞台をロンドンからドイツの架空の町に移し、ドラキュラ伯爵は「オルロック伯爵」に改名。
「これはドラキュラではありません」という体で公開したわけです。
インスパイア系ラーメン屋みたいな理屈ですが、当然通りませんでした。
ストーカーの未亡人フローレンスは激怒して提訴。
裁判所は製作会社に対し、フィルムの全プリントとネガの廃棄を命じます。
映画史上でも稀な、「作品まるごと死刑判決」です。