第4回で、グリフィスがクローズアップを発明した話をしました。
「顔に寄れば、心の中が撮れる」。
その発見を極限まで、もう戻れないところまで推し進めた映画が、サイレント末期に生まれます。
『裁かるゝジャンヌ』(1928年)。
デンマークの巨匠カール・テオドア・ドライヤーが、フランスで撮った作品です。
題材は、ジャンヌ・ダルクの異端審問。
19歳の少女が、聖職者たちに尋問され、脅され、火刑台に送られるまで。
実際の裁判記録(1431年)が現存していて、字幕のやり取りはほぼそこから取られています。
500年前の裁判の、実況中継です。
この映画の何が異常か。
ほぼ全編が、顔のクローズアップでできているんです。