1930〜40年代のハリウッドは、よく「夢の工場」と呼ばれます。
この言葉、比喩じゃないんです。
本当に工場でした。
MGM、パラマウント、ワーナー、20世紀フォックス、RKO。
5大スタジオは、製作から配給、映画館の経営まで垂直統合し、俳優も監督も脚本家も全員が「社員」。
週給で会社に縛られ、命じられた企画を流れ作業で撮る。
ピーク時のハリウッドは、年間400〜500本の映画を吐き出していました。
「そんな工場から芸術が生まれるの?」と思いますよね。
生まれたんです。
それも、映画史上もっとも愛される作品群が。
今回は、システムが生んだ奇跡の話です。
まず観てほしいのが、工場の底力がわかる1本。
ハワード・ホークス監督のスクリューボール・コメディ『ヒズ・ガール・フライデー』(1940年)です。