映画は、生まれた瞬間から嘘をついてきました。
メリエスがカメラを止めて馬車を霊柩車にすり替えた、あの日からです。
今回は、その「嘘のつき方」の技術史です。
物理の嘘(特殊メイク・ミニチュア・アニマトロニクス)から、デジタルの嘘(CG)へ。
そしてこの転換は、いまAIで映像を作っているぼくらに、直接刺さる教訓を残しています。
まず前史をざっくり。
メリエスのカメラ止め(第2回)から始まり、『キング・コング』(1933年)や、レイ・ハリーハウゼンの骸骨剣士(『アルゴ探険隊の大冒険』1963年)のストップモーションが「怪物」を担い、
『2001年宇宙の旅』(第26回)が模型と光学合成で宇宙を作り、
『スター・ウォーズ』(第29回)のILMが、その職人技を産業にしました。
CG時代の直前、物理特殊効果が最高潮に達した作品の一つが『トータル・リコール』(1990年)です。