α版 ゲスト ログイン
← なぜ人は、贈りたくなるのかに戻る

なぜ人は、贈りたくなるのか 第23回

数字の外に、真実がある — 参与観察と厚い記述

第5部 ビジネスの現場へ

最終第5部は「ビジネスの現場へ」。
ここまで学んだ人類学の方法そのものを、仕事の道具として持ち帰る3回です。

最初の道具は、人類学のいちばん基本の武器。
参与観察です。

まず、人類学の方法論でもっとも有名なたとえ話をひとつ。
アメリカの人類学者クリフォード・ギアツが紹介した「ウインクとまばたき」です。

少年がふたり、目を閉じたとします。
カメラで撮れば、ふたりの動きは同一です。
まぶたが閉じて、開いた。
以上。
でも、片方はただの生理的なまばたきで、もう片方は共犯者への合図のウインクかもしれない。
さらに言えば、ウインクの下手な友人を茶化す「ウインクの物まね」かもしれないし、その練習かもしれない。

外形の記録——まぶたが閉じた——をいくら精密にしても、この違いは永遠にわかりません。
違いは筋肉ではなく、意味にあるからです。
その場の文脈、ふたりの関係、その文化での合図の約束事。
そこまで書き込んで初めて、行動は理解できる。
ギアツはこれを厚い記述と呼びました。
行動の外形だけをなぞる「薄い記述」に対して、意味の層まで掘り下げる記述です。

ALPHA

α版のご案内

明鏡 学習サイトは、いま鋭意開発中のテスト期間です。

無料講座の講義音声は、イケハヤの声をもとにAIで生成しています。読み間違いに気づいたら、講義そばの「読み間違いの報告」から教えてください。

気になるところ・動かないところは、Discordでイケハヤまでお寄せください。

Discordで伝える