第1部の最終回は、お金のいちばん深いところにある問いを扱います。
「人間の値段は、お金で測れるのか」。
現代人の答えは建前上「測れない」ですよね。
命はお金に換えられない、と。
でも実際には、保険金にも、賠償金にも、金額がついています。
この気持ち悪さの正体は、お金の歴史の最初期にまでさかのぼれるんです。
市場もお金もない社会にも、「お金っぽいもの」はありました。
貝殻の首飾り、布、銅の腕輪、犬の歯。
人類学者はこれらを「原始貨幣」と呼んできました。
ところが、使い道を調べてみると妙なことがわかります。
これらは日々の買い物には、ほとんど使われていないんです。