最終第5部は「学問のその後」。
エフェクチュエーションを、少し引いた場所から眺め直します。
初回は、批判の回です。
ここまで22回、ぼくはこの理論を薦める側で話してきました。
でも、批判を隠して薦められたものを、あなたは信用すべきではありません。
エフェクチュエーションには、学術の世界でちゃんと批判があります。
それを誠実に並べるのが、この講座の信頼の担保だと思っています。
まず、学術的にいちばん本質的な批判から。
エフェクチュエーションは「反証しにくい」と指摘されることがあります。
科学の理論は、「こういう結果が出たら、この理論は間違い」と言える形——反証可能な形——になっているほど強い。
ところがエフェクチュエーションの5原則は、柔軟に解釈できてしまう分、輪郭が緩い。
たとえば、手持ちから始めて成功したら「手中の鳥の勝利」、目標から逆算して成功したら「熟達者は両方使うから」と説明できてしまうなら、それは理論というよりものの見方に近いのではないか。
概念の定義や測定方法が研究者によってぶれる、という指摘も続きました。