フランスの書店に入ると、少し不思議な光景に出会います。
バンド・デシネという自国の豊かなコミック文化を持つこの国で、店の一角がまるごと「MANGA」の棚になっている。
フランスは日本に次ぐ世界有数のマンガ消費国で、売れているコミックの多くを日本のマンガが占める年が続いています。
パリの日本文化の祭典には、毎年数十万人が集まる。
今回は第5部の締めくくりとして、MANGAが世界市場で「当たり前」になった現在地を歩きます。
第23回で、海賊版が正規展開より先に世界を制していた話をしました。
2000年代の海外のマンガ読者は、ファン翻訳のスキャンで作品に出会う世代だった。
出版社の反撃は、この20年で段階的に進みます。
- 翻訳出版の体系化。北米・欧州の出版社と組み、主要作品がほぼ時差なく各国語の単行本になる体制ができた
- 公式の同時配信。集英社の世界向けアプリでは、ジャンプの新話が日本の発売とほぼ同時に、多言語・基本無料で読める。「海賊版より速く、安く、正規で」の完成形です
- 電子と紙の両輪。アメリカでは2020年代、書店のグラフィックノベル売上の中で日本のマンガが驚異的なシェアを占めるようになり、棚の風景が塗り替わりました