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なぜ人は、妖怪を生んだのか 第18回

婚姻の民俗 — 結婚は、家と家の外交だった

第4部 生と死の民俗

結婚式で交わされる三三九度の杯。
あれは、何をしている儀式なのでしょうか。

新郎新婦が同じ杯で酒を酌み交わす。
実はこれ、日本の儀式の中でもっとも硬い契約の作法です。
同じ杯の酒を飲むことは、同じ運命を体に取り込むこと。
親分子分の契り、任侠の兄弟盃、一揆の血判と並ぶ、「後戻りできない関係」を結ぶための技術です。
結婚式は、愛の誓いである前に、契約の調印式でした。

今日は婚姻の民俗。
かつての結婚が何のための制度だったかを見ていきます。
少し身も蓋もない話が続きますが、最後まで聞いてください。

日本の婚姻のかたちは、時代とともに大きく揺れてきました。

古代の貴族社会では、男が女の家に通う「妻問婚」が基本でした。
子は母の家で育ち、家の財産も女性が継ぐことが多かった。
それが武家の時代になると、女性が男の家に入る「嫁入婚」へと転換していきます。
家の存続と武力の継承が最優先になった社会では、家長の血筋を確実に残す仕組みが必要とされたからです。

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