13世紀、ユーラシア大陸に人類史上最大の帝国が出現しました。
モンゴル帝国です。
チンギス・ハンから始まったこの帝国は、東は朝鮮半島から西はロシア・東欧まで、大陸をほぼ呑み込みました。
その帝国の五代目、クビライ・ハンの視線が、ついに海の向こうの島国に向きます。
1268年、クビライからの国書が大宰府に届きました。
文面は、表向き丁重です。
「通交を望む。兵を用いるのは誰も好むところではない」。
ただし宛名は「日本国王」、そして最後は事実上の脅し文句で締まっている。
朝貢しなければ、どうなるかわかるな、という手紙です。
鎌倉幕府の返答は、無視でした。
以後も届く国書を、ことごとく黙殺します。
世界帝国への、返事なしの塩対応。
こうして日本史上最大級の国難、元寇(げんこう)が始まります。
そしてこの戦争ほど、「ぼくらが習った物語」と「実際に起きたこと」がズレている事件も珍しいんです。