ヨーロッパの中世には、昔から不名誉なあだ名がついています。
「暗黒時代」。
ローマ帝国という文明の灯が消えて、ルネサンスで再点灯するまでの、停滞の千年。
そういうイメージです。
でもこのあだ名、つけたのはルネサンス期の人文主義者たちでした。
「自分たちの時代こそ光」と言いたい人たちが、直前の時代を暗く塗った、いわば宣伝コピーなんです。
実際の中世は、暗いだけの時代ではありません。
今日はその実像を、契約と、マウンティングと、ビールと、疫病で見ていきます。
まず、中世社会の骨組みから。
封建制という言葉は、一言に翻訳できます。
「土地はやる、だから戦え」です。