世界史には、人生がそのまま戯曲になってしまう人物が、ごくたまにいます。
ナポレオン・ボナパルトは、その筆頭です。
コルシカ島の田舎貴族の子として生まれ、26歳で将軍、30歳で事実上の国家元首、35歳で皇帝。
ヨーロッパの大半を制覇し、ロシアの雪で大軍を失い、島に流され、脱出して返り咲き、百日で敗れ、絶海の孤島で死ぬ。
脚本家が書いたら「出来すぎ」と却下されるレベルの、完璧な五幕悲劇。
今日はこの男を、英雄礼賛でも悪玉断罪でもなく、革命が生んだ申し子として見ていきます。
まず押さえたいのは、ナポレオンは革命の産物だ、ということです。