いきなりですが、質問です。
あなたは「日本人」ですか。
多くの人は、当たり前すぎて質問の意味がわからないと思います。
でも歴史的に見ると、この「当たり前」こそが謎なんです。
江戸時代の農民に同じ質問をしたら、おそらく「薩摩の者です」「会津の百姓です」と答えたでしょう。
会ったこともない何千万人と「同じ国民」だという感覚は、人類の標準装備ではありません。
19世紀に発明され、配布された、比較的新しい感覚です。
今日は、この「国民」という発明が世界地図を塗り替えていく話です。
ナポレオン戦争のあと、ヨーロッパの支配者たちは時計の針を革命前に戻そうとしました。
しかし、いったん配布された「国民」と「自由」の観念は、回収できません。