「あの銀行、危ないらしい」
こんな噂が流れたとします。
実際には健全な銀行です。
でも噂を信じた預金者が、念のためにと預金を引き出し始める。
行列を見た人が不安になって、さらに引き出す。
かくして健全だった銀行は、本当に破綻します。
アメリカの社会学者ロバート・マートンは、この現象に名前をつけました。
予言の自己成就。
最初の誤った状況認識が、それに基づく行動を呼び起こし、当初は嘘だった認識を本当にしてしまう現象です。
これ、自然界にはない現象です。
「明日は雨だ」と全員が信じても、天気は変わりません。
でも「あの株は上がる」と全員が信じたら、買いが集まって本当に上がります。
「あの人は嫌われている」と皆が信じて距離を置けば、その人は本当に孤立します。